耳鼻咽喉科とは
耳鼻咽喉科(ENT)は、耳、鼻、のど、頸部などの顔面から頸部までの臓器の疾患を診断・治療する外科系に属する診療科です。
風邪、花粉症、耳や鼻の違和感、のどの痛みや声がれ、首の腫れ・しこり、飲み込みにくさ、めまい、聴力低下など些細なことでもお気軽にご相談ください。
耳鼻咽喉科としての専門治療をさせていただきます。
また、当院は栄という立地から、仕事や家庭の都合で通院が難しい方や外国籍の方等にも柔軟に対応した診療をさせていただきます。
耳の症状
耳がかゆい
耳のかゆみが起こる原因としてはほとんどの場合が外耳炎によるものです。外耳道の皮膚は皮下組織が非常に薄く、刺激に弱いため、耳掃除などでも容易に炎症を起こしてしまい、かゆみを生じる原因となります。かゆみが治まらない場合や悪化して痛みが生じる場合、耳だれが生じる場合には耳鼻咽喉科での治療が必要となります。
耳が痛い
耳の炎症から起こった痛みとして頻度の多いものには、鼓膜の奥の中耳に炎症を起こしている急性中耳炎や鼓膜自体に炎症を起こしている鼓膜炎、鼓膜の手前の外耳に炎症を起こしている外耳炎などが挙げられます。その他、先天性耳瘻孔は生まれつき耳の前などに穴が開いていて、そこに感染がおこることで痛みが生じます。水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した炎症の場合は、激しい痛みを感じることがあります。また、外傷や外耳道異物、腫瘍などでも痛みを生じる場合があります。耳の周囲や耳の中の神経痛もあります。これは短く鋭い痛みを繰り返す特徴があります。痛みだけでなく顔面の運動麻痺(顔面神経麻痺)やめまいなどを同時に起こしている場合には、緊急の処置が必要となることもあります。
上記の他、耳以外の場所が原因で耳の痛みが生じる場合も少なくありません。顎(がく)関節は耳の穴のすぐ前にあるため、顎関節症による顎の痛みを耳が原因と思ってしまうことがあります。また、中耳は耳管という管を通して咽頭と繋がっており、同じ舌咽(ぜついん)神経という神経が感覚を支配しているため、のどの炎症でこの神経が刺激されて耳が痛いと感じることもあります。
耳だれが出る・耳が臭う
「耳だれ」は耳から流れ出る液体、もしくは液体の出てくる状態のことで、耳漏(じろう)ともいいます。「耳だれ」があると外耳道や中耳の病気の可能性があります。発生する原因によって漿液(しょうえき)性、膿性、粘液性、粘膿性、水様性、血性などと性質が異なります。外耳道から発生する「耳だれ」は、外耳道湿疹や耳かきのしすぎによるものは漿液性で、細菌感染を起こすと膿性になります(外耳炎)。また、外耳道の柔らかい耳あかが「耳だれ」に似ている場合がありますが、これは体質によるもので病気ではありません。中耳から発生する「耳だれ」は、中耳粘膜から生じる粘液性のもので、細菌感染を起こすと粘膿性になります(中耳炎)。慢性中耳炎では鼓膜穿孔を通って中耳から外耳道に流れ出ます。慢性中耳炎の中でも好酸球性中耳炎は非常に粘性の強い耳だれが出ます。外傷などが原因で髄液が外耳道に流出すると水様性になります。また、中耳や外耳道の外傷、悪性腫瘍などの疾患では、組織の破壊を伴い、血性耳漏を認めることがあります。
聞こえが悪い
「聞こえにくい」という症状は、「難聴」とも呼ばれます。難聴の起こり方は、生まれつき聞こえが悪い先天性難聴や徐々に聞こえにくくなるもの、ある日突然聞こえなくなるものまで様々です。例えば、いわゆる加齢性難聴は、両方の耳が同じように長年かけて徐々に聞こえにくくなる状態で、誰しもがいつかは経験することになります。大きな音を聞いて起こる音響外傷、叩かれたり、耳かきを刺してしまったりすることで起こる外傷性鼓膜穿孔、原因となる病気がないにもかかわらず、聞こえが悪くなる機能性難聴などもあります。片耳の難聴、急になった難聴や変化のある難聴、耳なりやめまいを伴う難聴、耳だれや耳の痛みを伴う難聴は、メニエール病や突発性難聴、中耳炎などの治療可能な耳の病気で聞こえにくくなった可能性がありますので、早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。
また、難聴は認知症の予防可能な因子の中で最大の危険因子ともいわれており、難聴を放置しておくと認知症やフレイルの原因となりますので注意が必要です。補聴器の効果が期待できることが多いので「難聴」と「補聴器」の両方を熟知した日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定の補聴器相談医に相談してください。また、小児難聴、ムンプス(おたふくかぜ)難聴の場合もあります。言語発達の遅れが生じる場合もあり、お子さんに関してもできるだけ早い受診をお勧めします。
*当院は院長・副院長ともに補聴器相談医です
*補聴器専門外来を行っています 詳しくはこちら
耳鳴りがする
耳鳴りは、実際には音がしていないのに、何かが鳴っている様に聞こえる現象です。一般に耳鳴りは、難聴とともに出現することが多いとされています。耳鳴りは本人にしか聞こえない自覚的耳鳴(じめい)と、外部から聞くことが可能な他覚的耳鳴とに分類されます。他覚的耳鳴の原因として、大小の筋肉のけいれんや、血管病変の拍動などが知られていますが、自覚的耳鳴の原因はいまだに不明です。高血圧や糖尿病、疲れやストレス、睡眠不足、肩こりなどは増悪因子です。また心身症とも浅からず関連があると言われています。急性期の耳鳴りには、まず難聴の原因となる疾患の治療が行われます。慢性化した耳鳴りには、漢方薬の内服や精神安定剤の内服、循環改善薬やビタミン剤、局所麻酔薬の注射、鍼灸などの民間療法などが行われますが、確実に耳鳴りを軽減させることは難しいとされています。その他、慢性期におこなわれる治療として、神経生理学的耳鳴理論に基づくTinnitus Retraining Therapy(TRT)や鼓室内薬物注入療法、星状神経節ブロック、自律訓練法などがあります。
*当院では耳鳴専門外来を行っています 詳しくはこちら
*月2回臨床心理士よるカウンセリングも行っています
耳がつまる
耳に水が入った感じ、ふたをしたような感じ、ボワーンとした感じは、外耳、中耳、内耳、いずれに原因があっても起こります。
外耳が原因の場合
耳あか、綿棒の先などの異物、プールや風呂で入った水、外耳炎による外耳道の腫れや分泌物の鼓膜への付着などが原因となります。また、耳が海水と風で冷却されることで外耳道の骨が増殖し耳の穴が狭くなる「サーファーズイヤー」により外耳道が閉塞しやすくなることがあります。
中耳が原因の場合
かぜに伴って鼻の奥と耳をつなぐ耳管(じかん)が腫れ、中耳の空気圧の調整がうまくできない状態(耳管狭窄症)、加齢や体重減少で耳管が開き過ぎた状態(耳管開放症)、中耳に水がたまった状態(滲出性中耳炎)などで耳のつまり感が出現します。また、飛行機に乗った時のように急激な気圧の変化に耳管の働きがついていけなくなって起こる航空性中耳炎もあります。
内耳が原因の場合
低音部の内耳性難聴で耳のつまり感を訴えることが多く、金属音が耳ざわりに感じたり、ワーンといった耳なりやめまいが伴ったりすることもあります。急性低音障害型感音(かんおん)難聴、メニエール病、突発性難聴などでよくみられる症状です。
鼻の症状
鼻がつまる
鼻づまりが続くと、単に鼻がつまって苦しいというだけでなく、においが分からなくなったり、口呼吸になったりするため、のどを痛めてかぜを引きやすくなります。さらに、いびきや、集中力がなくなる、疲れやすいなどといった全身的な症状も伴い、小児の場合は学業や成長にも影響がでることがあります。
鼻づまりの原因はさまざまですが、多くは、かぜに伴う鼻炎、アレルギー性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎などによる鼻の粘膜の腫れや鼻茸(はなたけ)、粘った鼻汁などです。小児の場合はアデノイドが鼻を後ろ(上咽頭)からふさいでいる場合もあります。片側だけに鼻づまりが強い場合は鼻の左右を分ける鼻中隔が曲がっていたり(鼻中隔弯曲症)、ときには腫瘍が見つかったりすることもあります。
*当院では鼻茸除去手術も行っています(院長)
鼻づまりを改善する点鼻薬は使いすぎると効かなくなり、点鼻薬性鼻炎(薬剤性鼻炎)といって逆につまってしまうことがあります。また鼻の乾燥や加齢による通気知覚の低下などで、鼻が通っているのにつまったと感じることがあります。
鼻づまりの程度を客観的に調べるには鼻腔通気度検査や音響鼻腔計測検査、鼻咽腔内視鏡検査やCT検査などを行います。このように鼻づまりはいろいろな原因で生じるため、その原因を詳しく調べることが必要です。治療は、原因に応じて鼻の処置やネブライザーで粘膜の腫れをとり、投薬を行います。しかし、これらの治療の効き具合や原因によっては手術が必要となることもあります。
*ネブライザー通院をご希望される方は受付にお声がけください
鼻水が出る
鼻水にはどろどろの黄色い鼻水(膿性鼻漏)と、水のようにさらさらの鼻水(水様性鼻漏)があります。鼻の奥の副鼻腔が感染を起こすと副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)となり膿性鼻漏がでます。また、幼児では鼻に異物を入れ膿性鼻漏が続くことがあります。いずれも耳鼻咽喉科でしっかりした治療が必要です。水様性鼻漏は、かぜの鼻炎や、アレルギー性鼻炎で起こります。かぜは咳やだるさなどの症状を伴うことが多く、アレルギー性鼻炎はくしゃみや鼻づまりを伴うことが多いです。自律神経の反応で起こる血管運動性鼻炎もアレルギー性鼻炎と同様の症状を呈します。
*当院ではアレルギー検査を行っています ご希望の方は受診時にご相談ください
くしゃみが出る
鼻内の知覚神経が刺激されるとくしゃみがでます。くしゃみは鼻の中の異物を外に出すための生体の防御反応です。くしゃみに加え、鼻水、だるさ、熱があるときにはかぜによる鼻炎が考えられます。また、くしゃみに鼻水、鼻づまりがあればアレルギー性鼻炎が考えられます。鼻や目もかゆければ花粉症の可能性があります。
*当院ではアレルギー検査を行っています ご希望の方は受診時にご相談ください
においがしない
鼻の最上部、嗅裂(きゅうれつ)と呼ばれる場所に嗅上皮があり、その中にある嗅細胞に「におい分子」が到達すると、神経を介して脳でにおいを認知します。かぜやアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症などで「におい分子」が嗅上皮まで到達できないと臭いがしなくなります。また、かぜのウイルスなどにより嗅細胞自体がダメージを受けると、しばしば高度の嗅覚障害となります。
検査は、まず鼻の中を観察し、必要に応じてレントゲン検査、CT検査などを行います。嗅覚障害の程度は、においのあるアリナミンの注射薬を静脈注射したり、何種類かの違った臭いを異なる濃度で嗅いでもらったりして判定します。
嗅覚障害の治療の基本は原因となっている病気を治療することで、鼻の処置、投薬、手術などが行われます。ステロイドの点鼻も効果的ですが、長期間使うと副作用が出ることがあるので主治医の指導に従って使用するようにして下さい。
鼻血が出る
鼻の粘膜はもともと毛細血管が豊富で、しばしば、特に原因もなく出血することがありますし、軽微な外傷でも鼻を何かにぶつけたときに出血します。また持病で、血圧が高い、血液をサラサラにする薬を服用していると小さな傷でも止まりづらくなります。鼻の病気が隠れていることもあり、上顎がんなどの腫瘍があると鼻血を出すことがあります。いわゆる血管腫は良性の腫瘍ですが若い人に多く、若年性血管腫と言われます。
鼻血が続くときには一度耳鼻咽喉科医の診察を受けてください。
鼻がくさい
「鼻がくさい、におう」「ドロっとした鼻水が出る(ネギっぱな)」など、誰しも一度は経験があるのではないでしょうか。一昔前は「蓄膿症(ちくのうしょう)」と呼ばれていた、いわゆる慢性副鼻腔炎が疑われる症状です。「サラサラした鼻水が出る(水っぱな)」「くしゃみや目の痒みがある」という症状のアレルギー性鼻炎とは違い、細菌やカビ、ウイルスによる感染が主な原因です。ただ慢性副鼻腔炎のなかには、白血球の仲間で好酸球が関連する難治性の好酸球性副鼻腔炎、「うえの歯の虫歯、歯根の炎症」が原因となる歯性上顎洞炎、がんなどの腫瘍により鼻水が出しづらく副鼻腔炎を生じる場合、免疫に関係する病気(ANCA関連血管炎)の可能性もありますので症状が長引く場合は耳鼻咽喉科医に相談してください。
鼻がのどに流れる
鼻がのどに流れる症状は後鼻漏(こうびろう)と呼ばれます。鼻水の一部がのどに回るのは誰にもある生理的な現象ですが、その量が多くなったり粘りが強くなってべったり付着したりすると不快感を伴います。これはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎でよくみられる症状ですが、とくに副鼻腔炎に伴う後鼻漏は痰や口臭の原因になるだけでなく、のどや気管を刺激して咳の原因になることもあります。ときには鼻の突き当り(上咽頭)の炎症が、後鼻漏の原因となったり、不快感を増強したりすることもあります。耳鼻咽喉科を受診し、鼻の後方まで観察する内視鏡検査やX線、CT検査でその原因を明らかにする必要があります。生理食塩水による鼻の洗浄(鼻うがい)が効果的なこともあります。ただし、洗浄液の温度、食塩水の濃度、やり方などを間違えると、鼻の粘膜や耳を痛める可能性があるため、耳鼻咽喉科医の指導の下に行う必要があります。
口・のどの症状
のどが痛い
のどが炎症を起こすと神経が刺激され、痛みを感じます。かぜのほか、のどの炎症には、のどの粘膜が腫れた咽頭炎・扁桃腺が腫れた扁桃炎・扁桃のまわりに膿がたまった扁桃周囲膿瘍・のどの奥の喉頭が腫れた喉頭炎・喉頭の入口にある喉頭蓋が腫れた急性喉頭蓋(がい)炎などがあります。小児に多い病気には溶連菌感染症、ヘルパンギーナや手足口病、プール熱などのウィルスによるものや発熱や咽頭、口腔痛、リンパ節腫脹を繰り返すPFAPA症候群などがあります。成人では溶連菌感染症や伝染性単核球症(EBウィルス)などがあります。
扁桃炎や扁桃周囲膿瘍はものを飲みこむときの強い痛みがあります。喉頭炎は声がかれます。急性喉頭蓋炎は強く腫れると気道をふさぎ呼吸困難になることがあるので注意が必要です。のどに痛みがあり、呼吸がつらいと感じたら直ちに耳鼻咽喉科医を受診してください。
のどに違和感がある
のどに何かがひっかかっている感じ、痰がこびりついている感じ、のどが狭くなった感じ、のどが押さえつけられる感じなど、のどに違和感を訴える方はとても多いです。原因も様々で、咽喉頭(のど)の病気、鼻副鼻腔の病気、甲状腺の病気、頸部の病気、食道の病気など、体の一部分に異常を認める場合の他、全身の病気(貧血、自律神経失調症、更年期障害、糖尿病、精神疾患など)の一症状としてのどに違和感を認めることがあります。アレルギー性鼻炎、咽頭炎・喉頭炎といった感染症、胃食道逆流症などが原因であることが多いですが、喉頭がんや咽頭がんの初期症状の場合もありますので、気になった際には早目に耳鼻咽喉科での診察を受けられることをおすすめします。診察や検査で症状の原因となる異常を認めないことも多く、咽喉頭異常感症と呼ばれますが、症状の原因となりうる病気を認めないか、きちんと診察・検査を受けることが重要です。
息がしにくい
息がしづらいという症状は、のど、気管、肺、心臓、精神的な問題など様々な原因によって起こります。実際に息がしづらいときは生命にかかわることもあるので、速やかな処置が必要ですが、もし余裕があれば、まず、本当に息がしにくいのか、あるいは息ができないのか、それともしにくい気がするだけなのかを区別することが大事です。ゆっくり深呼吸してみて、楽に息を吸ったり吐いたりすることができれば、精神的な問題も原因として考えられます。しかし、呼吸がうまくできず、ぜいぜい、あるいはヒューヒューといった音がする、さらに声もかれている、むせるなどの症状がともなっているときは、空気の通り道が何らかの原因で狭くなっている可能性があるので、原因を調べて対応しなければなりません。
特に食事を摂れないほどの強い痛みをのどに感じる場合は、急性喉頭蓋(がい)炎や扁桃周囲膿瘍の可能性が、誰が聞いても分かる強い声がれを伴う場合は、喉頭がんや下咽頭がんの可能性がありますので、急いで耳鼻咽喉科を受診してください。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
しゃべりにくい
人が言葉をしゃべるとき、音としての声そのものが出にくいのか、音はふつうに出せるがうまく言葉にできないのか区別しにくいかもしれません。前者は医学的には発声障害と呼ばれます。ここでは医学的には言語障害と呼ばれる後者について説明します。声帯で声が作られ、咽頭、口腔(舌)、鼻腔で言葉になるので、声は出せるけど言葉にならない、あるいは言葉がはっきりしないときは、声帯以外の器官に異常が起きていることが考えられます。原因、病状は多岐にわたり、たとえば同じ脳卒中後でも、口腔や舌の筋肉を動かす神経が麻痺してろれつがまわらないといった症状が出ることもあれば(運動性構音障害)、脳の言語中枢に障害が起きて意味のある言葉をしゃべることができない状態になることもあります(失語症)。その他、言語発達遅滞(ちたい)、脳性麻痺、舌小帯短縮症、口蓋裂(こうがいれつ)など小児期に対処が必要な言葉の障害、がんや怪我によって口腔や舌の形状が変化したり動きにくくなったりすることによる言葉の障害もあるので、まず原因を確定し、専門家による適切な処置を講ずる必要があります。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
声がかれる
声のかれを起こす代表的な病気はかぜにともなう急性喉頭炎ですが、この場合、声のかれは病気の改善とともに良くなります。アフターコロナの時期から、現在に至るまでのどの痛みとともに声が出ない、かれるといった症状の方が多く来院されています。当院では感染症対策を徹底したうえで各種検査を実施しています。
また、声帯の下から気管が腫れた場合は呼吸管理が必要となる場合があります。口の中に音がこもっているように聞こえる含み声は急性喉頭蓋(がい)炎や扁桃周囲膿瘍など、のどに強い炎症を伴う病気を疑う必要があります。声のかれが長い期間にわたって続く場合には、声帯ポリープや声帯結節、喉頭がんや下咽頭がん、声帯麻痺(反回神経麻痺)などを疑う必要があります。声がかれた場合には、なるべく早く耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
せき・痰が出る
1~2週間程度の一時的なせきを起こす代表的な病気はかぜですが、とくに急性喉頭炎や急性気管支炎を起こした場合にはせきが出やすくなります。長い期間にわたってせきが続く場合には、胃食道逆流症、喉頭アレルギー、血圧の薬の副作用、せき喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺がんなどさまざまな病気の可能性があります。痰は、呼吸器の粘膜を保つために分泌されている液体が、かぜや気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、喉頭炎などによって増えてしまい、のどから塊になって出されるものです。また、鼻水がのどに回って痰と感じることもあります(後鼻漏)。せきや痰が続く場合には、内科や耳鼻咽喉科の診察を受けることが大切です。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内他診療科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
痰に血が混じる
口から出たものに混じる血は、いろいろなところから出血している可能性があります。鼻、口の中(歯ぐき・舌など)、のど、食道などの消化器、肺などの呼吸器、いずれから出血しても痰に血が混じります。血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいると出血が止まりにくくなり、痰に血がまじりやすくなります。
耳鼻科では鼻血が出ていないか、口の中から出血していないか、のどの奥から出血していないか、また鼻・口・のどにがんがないかなどを中心に調べます。耳鼻科領域に何も異常がなければ、内科の先生に首から下を調べてもらうことになります。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内他診療科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
飲み込めない・むせる
食べ物や飲み物は、のどから食道に入り、胃に送り込まれます。飲み込めないという症状がでるときは、通り道のどこかが何らかの理由で狭くなっている、あるいは送り込む筋肉などの働きが低下しているといった理由が考えられます。炎症の場合も粘膜が腫れて飲み込めないという症状のでることがありますが、もっとも注意する必要があるのは腫瘍、なかでも悪性腫瘍により通り道が狭くなる状態なので、咽頭がん、食道がんなどの有無をしっかり確認する必要があります。むせるというのは本来食道、胃に入る飲食物が喉頭でうまく仕分けされず、気管、気管支に入り、その刺激で咳が出る状態です(誤嚥:ごえん)。この場合も悪性腫瘍の存在や、声帯の運動障害の有無などをチェックする必要があります。高齢者で飲み込みの機能が低下し、誤嚥を繰り返すと重篤な肺炎になることもあります。
いびきをかく
いびきは、睡眠中にのどがせまくなり呼吸によって振動しやすくなるために起こります。睡眠時無呼吸症候群が代表的な病気ですが、無呼吸をともなわない場合には単純ないびき症と呼ばれます。また、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など鼻の病気がある場合や口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)が大きいといびきをかきやすくなります。いびきの診断には、鼻やのどの診察と内視鏡検査、顔のレントゲン検査、睡眠検査などを行います。
*当院では睡眠検査は行っていません
味がしない
食べ物の味が分からなくなったり鈍くなったりすることを味覚障害といいます。ときには特定の味が分からない、何も食べていないのに変な味がするといった症状のこともあります。味覚障害の原因はさまざまですが、多くのケースで血清中の亜鉛不足が関係していることが分かっています。亜鉛不足の原因は、多い順に特発性(原因不明)、薬剤、感冒、全身疾患といわれています。鉄欠乏性貧血による舌炎や口内炎、虫歯などに伴う舌炎、脳機能の低下、心因的な要素も味覚障害の原因となります。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内他診療科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
頭・顔・くびの症状
めまい・ふらふらする
自分や周囲が動いていないのに動いているように感じる感覚をめまいといいます。めまいの原因は耳の病気(内耳性めまい)のことが多いですが、脳(中枢性めまい)や心臓など、原因は多岐にわたります。耳鼻咽喉科には、めまいや難聴を専門に扱う神経耳科という分野があります。そのため、いろいろな科から紹介されることが多く、総合的に検査、診断した上で、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内耳性めまいは耳鼻科で治療し、それ以外の中枢性めまいは必要に応じて精密検査や治療のために再び各科にふり分けるという役目も担っています。
めまいの診断のため、詳しい問診と、眼の動きを観察する検査(眼振検査)、聴力検査、体のふらつきを調べる検査、神経学的検査などの必須の検査に加え、さらに、必要に応じて血液検査、心理学的検査、レントゲン検査、CT、MRIなどが行われます。検査をしても診断がつかないケースもありますが、生命に関わるような重大な病気を否定することができれば、それだけでも検査をする意義があると思います。
*当院では、連携機関でMRIを撮ることが可能です
*聴覚分野を得意としているため、めまいに関しても専門的な診療を行っています
頭が重い
頭が重い、頭がしめ付けられるなどの症状は頭重感と呼ばれますが、頭痛の一種と考えることもできます。原因は、基礎疾患がある場合とない場合に大きく分けられます。くびから上のさまざまな病気が基礎疾患となりえますが、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍などの脳の病気、副鼻腔炎などの鼻の病気、緑内障などの眼の病気が代表的なものです。基礎疾患が見つからない場合は、くびや肩のこり、片頭痛、うつ病などの精神疾患、あるいは睡眠不足やストレスなどの生活習慣が、原因あるいは誘因と考えられます。症状が続く場合は、まず基礎疾患がないかどうか調べる必要がありますが、頭のどの部分に症状が強いか、他にどんな症状があるかで何科を受診するかを決めるのがよいと思います。眼の周囲や頬など頭の前方に症状が強く、粘った鼻がでる場合は副鼻腔炎の可能性が大きいので、まず耳鼻咽喉科を受診してください。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内他診療科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
顔が痛い
頬や目の奥、おでこが痛むときは、副鼻腔炎といって、鼻のまわりにある副鼻腔で炎症が起きていることがあります。おたふくかぜで代表される耳下腺炎の場合は頬の外側が痛みます。また、顔にある三叉神経が障害されると三叉神経痛となり痛みますが、数分でおさまることが多いようです。痛むところに水泡ができていればウイルスによる帯状疱疹が考えられます。痛みが続くときにはがんのこともありますから、そのようなときには耳鼻咽喉科を受診し、原因を調べて治療しましょう。
顔が曲がる
顔の一部が思うように動かなくなったり、顔が曲がった状態になったりすると顔面神経麻痺が疑われます。顔面神経麻痺には末梢性と中枢性があります。片方の顔面に違和感を感じる、まぶたが閉じにくくなる、水を飲むと口から漏れてしまうといった症状で気付かれることもあります。顔面神経には、涙や唾液の分泌に関わる神経、味覚をつかさどる神経、大きな音から内耳を守るために鼓膜の動きを調節する神経などが含まれています。そのため、麻痺と同時に、涙や唾液が出にくい、味覚障害、音が響いて聞こえるなどの症状を伴うこともあります。はっきりした原因がなく顔面神経麻痺だけが生じる場合は、最初の報告者にちなんでベル麻痺とよばれますが、体内に潜んでいた単純ヘルペスの再活性が病因ではないかと言われています。顔面神経麻痺と同時に耳の周囲に水疱(帯状疱疹)が見られる場合はハント症候群とよばれ、めまい、難聴、耳なりなどを伴うこともあります。
顔がピクピクする
顔の半分が、自分の意思とは関係なくピクピク動くことを顔面けいれんと呼びます。一般には眼のまわりから始まり口の周りやほほに広がり、緊張した時などに、より起こりやすくなります。このけいれんは、頭の深部で血管が顔面神経を圧迫することにより起こるため、その血管を移動して圧迫を取り除く手術(ジャネッタの手術)が行われたり、食中毒の原因となるボツリヌス菌の毒素を顔の筋肉に注射して一定期間けいれんを抑えたりする方法もあります。顔がピクピクする他の原因としては、顔面神経麻痺が回復してくるときに、本来とは異なる神経同士がつながってしまい、顔のどこかを動かす時に他の場所が一緒に動いてしまう病的共同運動があります。お子さんで、突発的かつ無意識に顔の一部を動かす動作がみられる場合は、チック症の可能性があります。疲れや肩こりがひどい時など、まぶたがぴくぴくする程度の症状は誰にもありますので心配ありません。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
くびが痛い
くびは常にボーリングの球ほどの重さのある頭を支え、また頭と体をつなぐ重要な器官が通っている場所です。ひと口にくびの痛みといっても、表面、奥の方、その中間、さらに、前、後、側面など部位によってさまざまな原因が考えられます。そこで、原因を調べるために、まず表面を見て、外傷、おでき、ヘルペスなどの有無をチェックします。次に、リンパ節、筋肉の張り具合、血管や神経の走行に沿った痛みの有無、しこりの有無、顎下腺、甲状腺などを指で触って調べます。のど、気管、食道の入り口など、くびの一番奥の部分に対しては、鼻から内視鏡を使って観察することができます。必要に応じて超音波検査やCT、MRIも行われます。以上の検査に関しては耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門分野です。
頸椎、靱帯、筋肉などについての検査は整形外科の領域となります。治療は原因によって異なりますので、まずは原因検索のために耳鼻咽喉科か整形外科を受診してください。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内整形外科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
くびに腫れものがある
急に腫れてきたか、いつのまにか段々大きくなってきたか、一つか二つ以上か、場所はくびのどのあたりかなどで病気はそれぞれ異なります。異常ではないものには、頸動脈や顎下線、頸椎の突起を触れていることがあります。痩せたことで触れやすくなったものです。病気であるものでは、感染症などによる炎症の場合は経過が急で、痛み、発熱をともなうことが多く、通常は抗菌薬などで改善しますが、急速に悪化し、入院治療を要することもあります。腫瘍の場合、多くは徐々に大きくなります。良性であれば摘出手術が最適ですが、悪性の場合、原発か、転移リンパ節か、その他のがんかなどにより治療法、予後が異なるので、まず診断を確定することが大事です。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
耳・鼻・のど・くび どの部位にも起こる病気
かぜ(かぜ症候群)
私達が呼吸する際、空気の通り道は気道と呼ばれ、上気道(鼻、咽頭、喉頭)と下気道(気管、気管支、細気管支、肺胞)に分けられます。かぜ症候群とは、主にウイルス感染によって上気道に起こる急性炎症の総称で、具体的には急性の鼻炎、咽頭炎、喉頭炎などをいいます。症状は、局所的にはくしゃみ、鼻みず、鼻づまり、のどの痛み、せき、たん、声がれなどであり、全身的には発熱、頭痛、関節痛、さらに下痢、腹痛などの消化器症状を伴うこともあります。
かぜは放置しても自然に治ることが多いのですが、こじれると気管・気管支炎、急性副鼻腔炎、急性中耳炎、滲出性中耳炎などの合併症を起こします。
かぜは、主に上気道の炎症で、合併症も耳、鼻、のどに関するものが多いので、本来耳鼻咽喉科医が「かぜの専門医」といえます。耳鼻咽喉科の利点は、病気の広がりや程度を眼で確認でき、さらに、薬だけでなく、鼻やのどの処置、ネブライザーなどで患部を直接治療できる点です。咽頭痛は軽度で、高熱が続き呼吸困難を呈してくれば肺炎などの可能性もありますので、内科や小児科も受診してください。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するため、症状によってエスエル医療グループ内内科・小児科の医師と相談し、ご紹介する場合があります
心身症
「心身症」とは、心理社会的要因または環境からの精神的ストレスが原因となって発症する身体疾患の事です。現代人は日常的に何かとストレスに晒されていますが、その許容量を超えた場合には耐えきれなくなり、心身のバランスを崩してしまいます。耳鼻咽喉科では以下の症状を診察します。
耳鳴り、難聴、めまい、嗅覚・味覚異常、舌痛症(舌がピリピリして痛い)、咽喉頭異常感症(のどがおかしい、つまる)、口腔乾燥感症、構音・発声障害(うまく話せない、声がでない)などはストレスと密接に関連しています。また、メニエール病、突発性難聴、心因性難聴などストレスが影響する病気もあります。
それぞれの疾患に対する薬物治療だけでなく、ストレスへの対処や生活改善(食事、睡眠、運動習慣)の必要がある場合が多くなります。
*月2回臨床心理士よるカウンセリングも行っています
外傷
耳鼻咽喉科では耳・鼻・のどの病気だけでなく、顔面・頸部に生じた外傷に対しても治療を行います。顔面・頸部には重要な神経・血管などの構造物が多く存在します。受傷の状態によっては視覚・聴覚・嗅覚などの機能障害を起こし、重篤な後遺症を残す場合があります。以下に代表的な外傷を挙げます。このような状態の場合は専門的な処置が必要となりますので耳鼻咽喉科を必ず受診するようにしましょう。
耳
外傷性鼓膜穿孔
誤って耳かきなどを深く入れてしまった場合などに起こります。鼓膜が破れて聞こえが悪くなったり、めまいを感じたりする場合があります。
耳介血腫
柔道やレスリングを行っている方に多くみられます。耳介への圧迫刺激が繰り返されて皮下に血液がたまり、耳介が腫れてしまう状態です。
鼻・上顎
鼻骨骨折
ボールなどがぶつかり鼻の形をつくっている骨が折れることで鼻が変形してしまいます。(矢印)
眼窩(がんか)吹き抜け骨折
眼窩という眼球が入っている部位の骨折です。眼球の位置が変位したり、目の周りの筋肉が骨に挟まれることによってものが二重に見えたりします。
頬骨(きょうこつ)骨折
頬の骨が折れた場合、顔面の変形だけでなく開口障害を起こすことがあります。
のど
咽頭外傷
アイスの棒や割りばしなどをくわえたまま転倒し、のどを傷つけてしまうことがあります。傷が深い場合は脳の損傷を起こすことがあるので注意が必要です。
喉頭外傷
のどを自動車のハンドルで強打した場合や、けんかなどで甲状軟骨(のどぼとけ)の骨折が起こります。出血や骨折の程度によっては呼吸困難を生じることもあり、早急な対処が必要となります。
ここに挙げた以外にも様々な外傷がありますが、目や歯に障害がおよぶものは眼科や歯科・口腔外科と共同で診療が必要となります。また、顔面の大きな傷、瘢痕などに対しては形成外科と共同での診療が必要となる場合があります。
*当院では、患者様によりよい治療を提供するためにエスエル医療グループ内の各診療科の医師や名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院と協力し合い、ご紹介する場合があります
異物
体内に誤って物が入ってしまい取れなくなってしまったものを異物といいますが、耳鼻咽喉科では、耳(外耳道異物)、鼻(鼻内異物)、のど(咽頭異物、喉頭異物)、食道異物、気管支異物などの異物をあつかっています。
耳の異物ではおもちゃの鉄砲の玉、ビーズ、綿棒の先、イヤホンのイヤーピース、昆虫などがあります。鼻の異物は小児の場合が多く、おもちゃなどに限らず、鼻の穴に入るものなら何でも多種多様です。耳の場合には大きな問題は起こりにくいのですが、鼻の場合は放っておくと鼻炎を起こして臭いはなが出るようになります。のどの異物で圧倒的に多いのが魚の骨です。緊急性は無い場合が多いのですが、異物を放っておくと重症の炎症を起こす場合がありますので早めの摘出をおすすめします。また、部分入れ歯や薬のシートなどの誤飲もあります。
自己免疫疾患
自己免疫(じこめんえき)疾患とは、本来異物を認識し排除するために体に備わっている免疫系が、自分自身の正常な組織まで異物と認識し、攻撃を加えることで起こる病気の総称です。全身に広く影響が及ぶ場合と、ある特定の臓器だけが侵される場合があります。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の領域に症状や所見が出ることで自己免疫疾患が見つかることもあります。
唾液や涙の分泌が低下して乾燥感を訴えるシェーグレン症候群、鼻を中心に粘膜や軟骨などが侵される多発血管炎性肉芽腫症(たはつけっかんえんせいにくげしゅしょう)(granulomatosis with polyangiitis:GPA 旧名ウェゲナー肉芽腫症)、口内炎が多発するベーチェット病などは全身性の自己免疫疾患ですが、耳鼻咽喉科・頭頸部外科で見つかることがよくあります。特定の臓器に限局する自己免疫疾患の中で、甲状腺の機能が亢進するバセドウ病や、逆に低下傾向を示す橋本病(慢性甲状腺炎)などの甲状腺疾患は耳鼻咽喉科・頭頸部外科の守備範囲の一つです。また、進行性の難聴の原因として内耳自己免疫病が知られています。
自己免疫疾患の治療法は病気の種類、重症度によりさまざまです。軽症の場合は経過を観察するだけの場合もありますが、病気の進行度によってはステロイド、免疫抑制剤などで免疫系全体を抑え込んだり、生物学的製剤といわれる生体が作る物質を薬物として使用する薬が使われたりすることもあります。必要に応じて内科と連携を取って治療が行われます。
お問合せがよくある診療内容
かぜの症状は耳鼻科ですか?
一般的に風邪をひくと、耳が痛くなる、鼻水で出る、のどが痛くなる、倦怠感がするなどの症状が現れます。それらの症状が特に気になる場合は、耳鼻咽喉科の受診がお勧めです。
耳鼻咽喉科は耳、鼻、喉の専門医です。
症状を緩和したり、悪化させないようにしたりと適切な治療をさせていただきます。
また、当院は感染症予防を徹底して行い、コロナ検査、溶連菌感染症検査、インフルエンザ検査など、必要に応じて行っています。ご希望の方は医師にご相談ください。
職場などに提出するための診断書の作成も可能です。
- かぜ症状のある方は、マスクの着用をして来院ください。
(お持ちでない方は受付にお声がけください) - 事前予約は不要です。
- はじめての方でも夕方診療時間に受診することができます。
花粉症・アレルギー症状について教えてください
一般的に、スギ花粉は2月上旬から、ヒノキ花粉は2月中旬から飛び始めます。
その他、春から夏にかけてカモガヤやブタクサなどのイネ科の花粉や黄砂などが原因で悩まれている方も多く来院されます。
毎年花粉症で悩まれている方は、その時期の少し前に受診されることをおすすめします。
また、近年では年中様々なアレルゲンが原因でくしゃみ・鼻水・のどや目のかゆみ等の症状が治まらず、悩まれている方が多くなりました。
当院ではアレルギー検査や花粉症レーザー治療なども行っていますので、興味のある方はお尋ねください。
- はじめての方(アレルギー検査ご希望の方以外)でも夕方診療時間に受診することができます。
アレルギー検査
9:30~17:00(平日)9:30~13:00(土曜)の時間に来院ください
事前予約は不要です
検査代の目安:6項目 2,500円程度
3割負担の方・別途診察代や処方箋料などがかかります
花粉症レーザー治療
事前予約が必要です
夕方診療の時間でもご予約可能です
11月下旬を目安にご予約の受付を開始します
年に1回(2回)を目安に行ってください
舌下免疫療法
*中止している場合もあるので、事前にお問い合わせください。
舌下免疫療法は毎日、舌の下でアレルゲンを含む薬を服用することで、少しずつアレルゲンに対する免疫をつくっていく治療法です。
スギ花粉症の舌下免疫療法は6月から開始されることをお勧めしています。
舌下免疫療法の詳細はアレルゲン免疫療法ナビをご覧ください。
https://www.torii-alg.jp/slit/
発熱症状があるのですが、受診できますか?
事前予約なしで受診可能です。
発熱を伴う症状として感冒(かぜ)・溶連菌感染症・扁桃炎・インフルエンザ感染症・コロナウイルス感染症などがありますので、それぞれの病状に対応した検査や治療を行います。
当院では、患者様の負担軽減のためインフルエンザ感染症とコロナウイルス感染症を同時に検出できる検査を導入しています。
現在は高い検査技術で、ウイルスが少ない感染初期の場合でも、早期発見が可能になりました。早めの治療を開始することで、周囲への感染や症状の悪化防ぐことができます。
- かぜ症状のある方は、マスクの着用をして来院ください。
(お持ちでない方は受付にお声がけください) - 事前予約は不要です。
- はじめての方でも夕方診療時間に受診することができます。
めまいの症状は耳鼻科ですか?
まずは耳鼻科を受診してください。
自分や周囲が動いていないのに動いているように感じる感覚をめまいといいます。めまいの原因は耳の病気(内耳性めまい)のことが多いですが、脳(中枢性めまい)や心臓など、原因は多岐にわたります。耳鼻咽喉科には、めまいや難聴を専門に扱う神経耳科という分野があります。そのため、いろいろな科から紹介されることが多く、総合的に検査、診断した上で、メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの内耳性めまいは耳鼻科で治療し、それ以外の中枢性めまいは必要に応じて精密検査や治療のために再び各科にふり分けるという役目も担っています。
めまいの診断のため、詳しい問診と、眼の動きを観察する検査(眼振検査)、聴力検査、体のふらつきを調べる検査、神経学的検査などの必須の検査に加え、さらに、必要に応じて血液検査、心理学的検査、レントゲン検査、CT、MRIなどが行われます。検査をしても診断がつかないケースもありますが、生命に関わるような重大な病気を否定することができれば、それだけでも検査をする意義があると思います。
- 当院では、連携機関でMRIを撮ることが可能です
- 当院は聴覚分野を得意としているため、めまいに関しても専門的な診療を行っています
補聴器装用についての相談で受診できますか?
事前予約なしで受診可能です。
また他院からの紹介状お持ちの方は、事前にお電話にてご予約をお取りすることができます。
補聴器を装用したほうがいいのか悩んでいる、購入した補聴器が全く使用できないなど、補聴器に関する悩みをご相談ください。
院長・副院長(前院長)は補聴器相談医・補聴器適合判定医です。
補聴器外来はこちら
補聴器購入を希望される方は、当院指導サカエきこえの相談室のHPをご覧ください。
ワクチン接種はやっていますか?
現在当院では下記のワクチン接種を行っています。
ワクチン接種開始時期については、HP・関谷耳鼻咽喉科公式ライン・受付にてお知らせいたします。
- インフルエンザワクチン(中学生以上)
職場の健康保険組合接種補助券(けんぽれん愛知)をお持ちの方は、ご持参ください。
名古屋市にお住いの後期高齢者の方は、自治体の補助が適用されます。
職域接種ご希望の企業のご担当者は、当院にご連絡ください(ワクチン担当者宛)。
- 接種希望の方は、事前予約が必要です。