聴こえにくくなった?
ご自身やご家族、周囲の気づきが治療の第一歩
できるだけ早めの受診をお勧めします
聴こえにくくなった?
ご自身やご家族、周囲の気づきが治療の第一歩
できるだけ早めの受診をお勧めします
難聴専門外来とは
難聴専門外来では、小児難聴から加齢による難聴まで、全ての年代に起こりうる感音難聴を対象としています。音を感じ取る内耳から神経、脳に至るまでの異常について、診断と治療を行います。当院では障害部位の診断・機能評価をし、それぞれの聴覚特性に基づいた補聴器装用指導、人工内耳埋め込み術の紹介など、総合的な聴覚管理を行っています。
急性の感音難聴では、早期の治療により聴力の改善率が高くなりますので、できるかぎり早めに受診をおすすめします。病状に応じて、必要があれば名古屋市立大学病院をはじめとする地域連携病院へ紹介させていただきます。
治療困難な難聴で聞き取りに不便を感じている方には、当院の補聴器外来をご案内いたします。補聴器の効果がないほどの高度の両側感音難聴になった方や生まれながらに両側高度感音難聴の方には、人工内耳埋め込み術の説明も行っています。
(院長著書 八重洲出版「よくわかる補聴器選び」参照 毎年改訂版を出版しています)
耳鳴り専門外来とは
耳なりは、実際には音がしていないのに、何かが鳴っている様に聞こえる現象です。一般に耳なりは、難聴とともに出現することが多いとされています。
当院の耳鳴り外来では、耳鳴り問診をはじめとしたカウンセリングののち、耳鳴り検査を行い医師とともに治療の方針を決めていきます。
急性期の耳鳴りには、まず難聴の原因となる疾患の治療が行われます。慢性化した耳鳴りには、漢方薬の内服や精神安定剤の内服、循環改善薬やビタミン剤、局所麻酔薬の注射、鍼灸などの民間療法などが行われますが、確実に耳鳴りを軽減させることは難しいとされています。
当院では慢性期におこなわれる治療として、神経生理学的耳鳴理論に基づくTinnitus Retraining Therapy(TRT)も取り入れており、実際に治療音を入れた補聴器を使用して治療を行います。(前院長関谷芳正著書 八重洲出版「耳鳴りなんかこわくない」参照)
小児難聴の患者様へ
小児の難聴では、乳幼児期からの早期診断・早期療育開始がとても大切です。他院からの紹介状を持参された方は優先的に予約を取りますので、事前にお電話ください。
また、各自治体の助成制度などを紹介し、手続きのサポートなども行っています。
お子さんの成長とともに、医師と言語聴覚士が連携して継続的な治療をしていきます。
人工内耳の患者様へ
人工内耳埋め込み術をされた患者様のアフタフォローを行っています。
また、名古屋市立大学附属病院をはじめとする大学病院に紹介させていただいた患者様のオペには、当院の言語聴覚士が同行し、音入れを担当させていただきます。
その後当院にて細かなアフタフォローなど、言語聴覚士が担当制で対応いたします。
補聴器相談の患者様へ
当院では常時言語聴覚士とともに補聴器外来を行っています。
補聴器の装用を検討されている方は、購入前に受診されることをお勧めします。
聴こえの低下に影響している疾患がないか、補聴器適応聴力かを検査します。
補聴器装用が必要な方には、補聴器の試聴をご案内します。
総合支援法に基づく障害手帳の交付や各自治体の助成制度の申請もサポートいたします。
当院の特徴
- 補聴器特性装置以外に、防音室内で実耳測定装置を用いた装用効果判定及び調整
- 試聴から購入後のアフターフォローまで言語聴覚士が担当制で対応
- 補聴器の器種選定、調整、アフターフォローは補聴器相談医と言語聴覚士が連携
- 各自治体の助成制度や障害者手帳の申請をサポート
- 各医療機関と連携した小児難聴児の補聴器作製
当院の補聴器外来の流れ
1耳鼻咽喉科受診
問診後に耳の疾患があるか等の診察を受けます。
難聴の原因は様々であり、治療可能な病気もあります。
まず、耳鼻科で耳の診察を受けることをおすすめします。
他院を受診し補聴器装用をすすめられた方で紹介状や検査結果等ある方は、ご持参ください。
2聴力検査など
聴力検査では、どの程度聴力が落ちているか、伝音難聴か感音難聴かを検査します。
語音検査(言葉の聞き取り)では、言葉をどの程度聞き取ることができているかを調べます。耳鳴りの症状がある方は、耳鳴り検査も行います。
3医師によるアドバイス
診察や検査の結果から、補聴器装用の必要性について判断します。
また、どちらの耳に装用するのが効果的なのか、補聴効果はどの程度得られるのか等の説明をします。医師と相談の上、補聴器を使ってみようという方には、補聴器外来の予約を取らせていただきます。
4補聴器外来予約
補聴器外来の予約を取ります。
試聴開始の初回は2時間程度、その後は1時間程度のお時間を予定してください。
補聴器装用に助けが必要な場合は、ご家族の方などの同伴をお願いする場合があります。
5試聴開始
医師の指導の下、担当の言語聴覚士が補聴器の選定を行います。
生活環境や検査結果をもとに、どのような補聴器が適しているのか、どのメーカーの補聴器が合っているのかなどを一緒に考えます。
補聴器の操作方法や管理の仕方についても説明します。
6試聴
補聴器を装用して生活をしていただきます。
どのような点が不便であったか、どんな音が聞こえにくかったのか、などを担当の言語聴覚士がヒアリングし、聴力に合わせて調整をしていきます。
正確な調整を行うために、1~2週間程度期間をあけて通院してください。試聴期間は、個人差がありますが、平均2か月程度です。
*補聴効果に納得できない場合は、無理に購入する必要はありません。途中で補聴器が不要と感じられた場合は、遠慮なく申し出てください
7ご購入
*医療費控除について
補聴器購入費用は保険が適応されませんが、医療費控除の対象となります。
耳鼻咽喉科の補聴器相談医が作成した診療情報提供書をお渡ししますので、確定申告の際に提出してください。
*福祉利用について
身体障害者手帳(聴覚障害)をお持ちの場合は、お住いの自治体より購入費の補助が利用できる場合があります。担当の言語聴覚士にご相談ください。
*助成制度について
軽中等度難聴のお子さんは、各自治体が設けている助成制度の基準に合わせて、購入費の補助を受けることができます。また18歳以上の難聴の方にも、助成制度を設けている自治体もあります。担当の言語聴覚士にご相談ください。
8定期点検・アフターフォロー
定期点検
購入時に、担当の言語聴覚士が1か月後の予約をお取りします。1か月使用してみた結果をヒアリングし、必要に応じて再度調整を行います。
ご希望の方には、半年後、1年後、2年後、3年後、4年後まで定期チェックのはがきを送ります。はがきが届きましたら、「サカエきこえの相談室」にお越しください。
*お電話にて予約をとっていただくとスムーズにご案内できます。
アフターフォロー
補聴器の操作方法や故障、聞こえづらくなったなど、お困りのことがあれば「サカエきこえの相談室」にお問い合わせください。
また、補聴器のお掃除や点検はいつでも無料で行っています。ご予約は不要ですので、「サカエきこえの相談室」に直接お越しください。
補聴器をすでにお持ちの方へ
補聴器購入費には、購入後の調整にかかる費用も含まれており、販売した店舗が行うことになっています。しかし何度お店に通っても調整が合わないなど、補聴器の装用で悩んでいる方は、補聴器相談医に一度相談して、医師の判断のもと耳鼻咽喉科の補聴器外来で再度調整をすることができます。お困りの方は、ご自身の補聴器を必ず持参し、受診し、医師の判断のもと、必要な方は再調整のご予約をおとりします。
購入後の補聴器の再調整
- 補聴器適合判定料がかかります。
ご参考までに
1割負担の方:1回目1,300円 2回目以降700円
2割負担の方:1回目2,600円 2回目以降1,400円
3割負担の方:1回目3,900円 2回目以降2,100円 *検査代のみ - お使いの補聴器を必ずご持参ください
- 事前に調整ロックの解除を依頼しなければならない店舗もあるため、受付スタッフまたは医師に購入した店舗名をお伝えください。
- 補聴器外来の調整は医師の診察後、言語聴覚士の予約を取らせていただきます。調整時間は1時間から1時間半程度です。
- ご使用中の耳栓が合っていない場合、オーダーメイドで耳栓部分を作製する必要もあります。
- お持ちの補聴器の器種では聴力やご要望に合った調整ができない場合、新しい補聴器の試聴も可能です。
いろいろな難聴疾患
先天性難聴
原因不明とされていた難聴の中には遺伝子変異が原因で引き起こされているものがかなり含まれていることがわかってきました。
また、外耳、中耳の形態異常や妊娠中の母体のウィルス感染による難聴もあります。形態異常の場合は治療可能なこともありますが、多くの場合は治療困難です。
両側性の場合には、難聴の程度に応じて早期から補聴器の装用や人工内耳による療育を行うことで、残った聴覚を活用して言語発達を期待することができます。
突発性難聴
文字通り、ある日突然聞こえがわるくなる病気です。耳閉感(耳が塞がった感じ)、耳鳴りを同時に感じることもあります。治療はステロイド剤を中心とした薬物治療です。
難聴の程度が軽い方は外来での通院治療が可能ですが、中等度以上の難聴の方やめまいを伴っている方、糖尿病などの合併症がある方には入院治療をおすすめする場合もあります。
残念ながらすべての方が完治するわけではありませんが、早期の治療により改善率が上がることが知られています。
音響外傷
爆発音などの衝撃音を聞いた後、あるいはロックコンサートなどで大きな音を一定時間聞いた後に急激に発症する難聴です。しばしば耳閉感、耳鳴りを伴います。突発性難聴に準じた治療を行います。
騒音性難聴
音響外傷を引き起こすほどの大きさでなくても、工場の騒音など一定以上の大きさの音を日常的に聞いていると、徐々に難聴が進行することがあります。難聴になってしまった場合の有効な治療法はありませんが、適切な騒音管理で予防することができますので、早期の診断と労働衛生管理が重要です。
加齢による難聴
加齢に伴い聴覚も衰えてきます。小さな声やざわざわした場所での会話が聞き取りにくい、電話での会話の聞き間違いなどがその初期の代表的な症状です。近年では認知症との因果関係も明らかになってきました。残念ながら、薬物などの治療で聴力を改善することはできませんが、多くの場合は補聴器が有効です。
ただし、補聴器はそれぞれの聴力の状態に応じてきめ細やかな調整をする必要があります。